作品一覧
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鳥女の首(再演)
吉本大輔舞踏公演。1992年度第3回ローザンヌ国際コンテンポラリ・フェスティバル招待作品。
1980年代に上演された吉本大輔の処女舞踏公演4部作「葬送」シリーズのひとつ。風葬「風の中の羊歯」、火葬「火の中の卵」、水葬「水底の石」につづく鳥葬である。ポーランド、スイス公演を経て、東京にて再演された。
原作:スタニスラフ・ド・ガラ咀嚼公夫人。
チラシにはロートレアモンの言葉がひいてある。
墓堀人よ!都市の廃墟を眺めることは美しい。
だが然し、人間の廃墟を眺めることはいっそう美麗だ!- 上演団体 / 個人
- 吉本大輔
- 演出 / 振付
- 吉本大輔
- 会場
- 草月ホール
- 上演年
- 1993
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鳥 <幻想考ーイヴの庭園Ⅱ>
「公演時間の大半を直角に交わる二面の黒壁に沿って右から左への移動に費やされた」という本作は、「静中の動」、「内に圧縮されて解放を求めるエネルギーの迫力を醸しだし、さも鳥が天上に羽ばたきたくとも羽ばたけずに果てるかのような」姿を見る者に連想させた(吉沢伝三郎 /「現代思想」1983年1月号)。「幻想とは、何よりもまず不安を意味し、破壊を意味する」というロジェ・カイヨワの言葉が、「鳥」という作品にひとつの生命を与えている。
- 上演団体 / 個人
- 上杉満代
- 演出 / 振付
- 上杉貢代
- 会場
- キッドアイラックホール
- 上演年
- 1982
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囚われの世界~新解釈カリガリ博士
昭和59年度文化庁芸術祭参加作品。
映画監督ヴィーネによって有名になった「カリガリ博士の箱」をバレエ化したものである。
物語は精神を病んだ男の妄想の話。
人体実験をする博士。実験の為に誘拐されてしまう女性。女性を助けようと乗り込んだが捕らえられてしまう男性。
実験によって狂わされていく女性と精神を犯されていく男性。
最後は病んだ男性が自分は博士だと思い込み博士と女性を殺し、自身も炎にまみれるところで終わる。
何処まで事実で何処からが妄想なのか?- 上演団体 / 個人
- 若松美黄・津田郁子自由ダンス
- 演出 / 振付
- 若松美黄、津田郁子
- 会場
- 読売ホール
- 上演年
- 1984
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時間の海
玉野黄市舞踏公演。
1964年からアスベスト館で土方巽に師事し、土方に「ガニ股のニジンスキー」と称された玉野黄市は、1972年に哈爾濱派を結成、1979年からサンフランシスコに拠点を移し、米国での舞踏の広がりに貢献した。アメリカ移住後も大駱駝艦公演への客演、作曲家・喜多郎氏の日本ツアーへの参加など、日本での公演も多い。「時間の海」は大阪で開催された単独公演である。米国での舞踏講習に参加していた若手も加えての作品となっている。- 上演団体 / 個人
- TORII HALL
- 演出 / 振付
- 玉野黄市
- 会場
- TORII HALL
- 上演年
- 1996
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TOOBOE (遠吠え)
TOOBOE(遠吠え)は、マーク・アテシュと共同制作した、カセキユウコのソロダンス公演である。この作品の出発点は、日本の作家、内田百閒(1889-1971)の同名の物語に基づいている。内田百閒は、日常から奇妙な出来事を非論理的に登場させ、物語を描くことが多い。彼の独特な考察の視野を通した意識的にシンプルなエピソードから、平凡な構造の裂け目を見つけることに成功している。異界への扉を通して、幻想の可能性へ、それは一方に不安を与え、他方に奇妙なユーモアを出現させる。カセキユウコは、この状況を不条理とユーモアとによって暴き出し、簡明に自己と肉体をこの世界に存在させる。1998年11月、ベルリン・loplopにて初演。
- 上演団体 / 個人
- カセキユウコ
- 演出 / 振付
- カセキユウコ
- 会場
- DOCK11(ベルリン)
- 上演年
- 2002
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渡欧直前(1969)とデュッセルドルフ(1979)での記録
石井の残した8ミリフィルムのリールより、1971年渡欧直前に茅ヶ崎で撮影されたと思われる映像と1979年デュッセルドルフのギャラリーと路上で撮影された映像を一つのデジタルファイルに編集している。石井は舞踏家として最も早く1971年に渡欧しイギリス、オランダ、ドイツ等で活発な活動を行った。
- 上演団体 / 個人
- 石井満隆
- 演出 / 振付
- 石井満隆
- 上演年
- 1969
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東北歌舞伎計画3:土方巽講演
土方巽による講演の音声記録。土方巽構成・演出による「東北歌舞伎計画」は、芦川羊子と東北歌舞伎研究会による踊りに、講演やスライド上映などを交え、<スタジオ200舞踏講座>として1985年3月、6月、9月、12月に計4回行われた。講演は、第1回に合田成男と大岡信、第2回に馬場あき子と宇野邦一、第3回に榎本了壱と土方巽、第4回に長尾一雄が登壇。土方は病気のために第4回への立ち合いが叶わず、翌年1月に死去した。
- 上演団体 / 個人
- スタジオ200
- 演出 / 振付
- 土方巽
- 会場
- スタジオ200
- 上演年
- 1985
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Tokyo DasSHOKU Girl (東京脱色ガール)
ゆみ・うみうまれのDasSHOKU舞踏キャバレエ・シリーズ最初の作品。シリーズのスローガンは「ショックと癒しがクロスする、クロスカルチャーキャバレエ」。日本文化のサブカルチャーや、一般に馴染みのない暗い世界に踏み込み、日本女性へのステレオタイプも含む、文化に対する固定観念や表面的なイメージを取り払い、脱色する。アナーキーで美しい舞踏に風刺的なキャバレエを組み合わせた新しいスタイル、舞踏キャバレエを確立した作品。メルボルン・フリンジフェスティバル参加。
メルボルン・フリンジフェスティバル賞、オーストラリア・グリーンアワード賞を受賞。- 上演団体 / 個人
- ゆみうみうまれ
- 演出 / 振付
- ゆみうまうまれ
- 会場
- Czech House (チェック・ハウス)
- 上演年
- 1999
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Den Den Den
1991年にOguriが米国ロサンゼルスに移住して最初の独舞公演。当初、『無題』 での上演の予定だったが、運営側からタイトルをつけて欲しいと頼まれ、その場でデンデンデンと決まった。Oguriの記憶では、特に意味はない。
公演場所のLos Angeles Contemporary Exhibition (LACE)はLAの先鋭的な前衛芸術の表現の場だった。治安状態最悪なLAダウンタウン端に位置し、煉瓦造り建物が有刺鉄線で幾重にも覆われ、さながら要塞の構え。辺りには広い敷地にコンテナ倉庫がポツンと建ち、ときどき行き交うのはコンボイトラックとショッピングカートを押すホームレス。公演のある日にはパンクス等異形の老若男女ゲイが集うハードコアな場だった。現在ではHollywood Blvd.に移転して、その刺激的な運営は続いている。
音響に携わった作曲家ポール・チャベスとOguriは付き合いが継続いており、現在でも共演している。- 上演団体 / 個人
- 小栗直之
- 演出 / 振付
- Oguri
- 会場
- LACE (Los Angeles Contemporary Exhibition)
- 上演年
- 1992
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Deadpan : intention
DEADPAN(死んだ鍋)とは、冗談や皮肉を真面目な顔で表情を変えずに、あたかもそれが真実であるかのように述べることで、その効果を強めるもの。アイルランド文化の一部として、そのユーモアの繊細さを際立たせる伝え方である。
音響は当時から有名だったDJ Howie Bで、そのためか地元の有名ロックスターの面々も客席に見受けらた。
映像では最後の数分が途切れているが、Oguriの記憶によれば、その後の踊りの展開はなくこのまま終演だった。- 上演団体 / 個人
- 小栗直之
- 演出 / 振付
- Oguri
- 会場
- プロジェクト・アーツ・センター(ダブリン)
- 上演年
- 1996
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出たいねん、コンチキショウ
障害者を解放する岩戸を開く鍵となるであろう、健全者の管理下に置かれ、人間性を奪われた生活の中にある障害者施設の日常生活に素材を求め、障害者の自立とは何かを問う作品。
- 上演団体 / 個人
- 劇団態変
- 演出 / 振付
- 紺谷佳清、柏木正行
- 会場
- 京都大学西部講堂
- 上演年
- 1986
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DISTANCE
厚木凡人ダンスリサイタル。『裂記号』シリーズの第三作目。
三人のダンサーは赤いタイツを着用し、大きな鏡を抱えて登場。ダンサーは鏡の中に映った像に視線を固定し、単純な動作を緩やかなテンポで交互に行う。その後、ダンサーたちは発語し、鏡に映し込んだ対象物を指差し続けながらスタジオ内を歩く。観客は声の移動と発語の内容からダンサーの動きを察知する。ダンサーたちは循環的な動きを続け、鏡を使って対象物を指差し、直視し、記憶によって発語する。最後に、ダンサーたちは床、壁、天井に対して異なる動作を同じテンポで繰り返す。動きは最初は緊張しているが、徐々に緩んでいき、最後にピアノの音が流れ、暗転。- 上演団体 / 個人
- 厚木凡人
- 演出 / 振付
- 厚木凡人
- 会場
- ユニーク・バレエシアター
- 上演年
- 1977
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10 Motions
80 夏・秋ダンス・コレクション参加作品。10の動きを様々に組み合わせを変化させて構成されたソロ。
- 上演団体 / 個人
- 厚木凡人
- 演出 / 振付
- 厚木凡人
- 会場
- 三百人劇場
- 上演年
- 1980
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天体ノ秋
山田せつ子ダンス公演。山田せつ子が、公演表記を「舞踏」から「ダンス」と変えた分岐点になる作品。
池袋西武スタジオ200の無機的空間が青銅色の壁面、錆の浮いた鉄や廃材、白砂を使った内藤久義のインスタレーションによって、地上の果て、異界へ通ずるステージとなった。荘村清志のギター「インターナショナル」に始まり、HIROKIのシンササイザー音が山田の緊張と放散の求心的なダンスと交差し、よりシンプルに生成された世界を展開した。- 上演団体 / 個人
- 山田せつ子
- 演出 / 振付
- 山田せつ子
- 会場
- スタジオ200
- 上演年
- 1989
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テレポートTBS6
東京放送(現・TBSテレビ)のローカルニュース番組「テレポートTBS6」でButoh Festival '85の開催を機に「舞踏」を紹介する。土方巽、市川雅、麿赤児、五井輝、田中泯のコメントの他、大駱駝艦や舞塾のリハーサル風景などを収録。当時の「舞踏」の一端を知ることができる。
- 上演団体 / 個人
- 日本文化財団
- 上演年
- 1985
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てふてふ七
木佐貫邦子ソロダンス公演。自分はどこからやってきたのか、をテーマに実験的ソロダンスシリーズ「てふてふ」は木佐貫邦子23歳1982年に開始している。その7作目となる「てふてふ七」は、前作である「てふてふ六」で様々な光と闇を見た挙句に出涸らし状態となった身体が次のステージへと這い出て来て吠える再生物語である。「てふてふ六」までが、妄想の数々で形成されていたとすれば、この「てふてふ七」はその妄想の枯渇から立ち現れた内的な現実の形と言える。
- 上演団体 / 個人
- 木佐貫邦子
- 演出 / 振付
- 木佐貫邦子
- 会場
- ラフォーレ ミュージアム赤坂
- 上演年
- 1986
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Tree(樹)
ブルックリン音楽アカデミー(BAM)・ネクスト・ウェーブ・フェスティバルからの委嘱作品。お茶で染めた絹布と綿布、乾いた葉、赤のペンキで巨大な樹をつくった。プログラムには、「樹は自らの想い出に傷ついている」とある。私達は二人共完全に全裸で、自然の夜の音を使った。「THIRST」と共に第2回ネクスト・ウェーブ・フェスティバルで発表。1989年にはスパイラル・ホールで「THIRST」と共に上演、76年に日本を離れてから初めての東京公演だった。
- 上演団体 / 個人
- Eiko & Koma
- 演出 / 振付
- Eiko & Koma
- 会場
- BAM Lepercq Space(ニューヨーク)
- 上演年
- 1988
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土の睡り
吉本大輔舞踏公演。
風葬「風の中の羊歯」、火葬「火の中の卵」、水葬「水底の石」、鳥葬「鳥女の首」は、1983年から87年にかけて上演された吉本大輔の処女舞踏公演4部作である。この「葬送シリーズ」が、土葬「土の睡り(ねむり)」をもって5部作となる。原作:スタニスラフ・ド・ガラ咀嚼公夫人。- 上演団体 / 個人
- 吉本大輔
- 演出 / 振付
- 吉本大輔
- 会場
- 草月ホール
- 上演年
- 1995
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Champing at the Bit
1982年にニューヨークの地下鉄で無許可で撮影。出演メンバーはスクール・オブ・ハードロックス。
- 上演団体 / 個人
- 中馬芳子
- 演出 / 振付
- 中馬芳子
- 会場
- ニューヨークの地下鉄
- 上演年
- 1982
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知恵の実
昭和60年度文化庁芸術祭参加作品。
アダムとイヴは蛇に勧められ知恵の実を食べて、神の怒りを買う。楽園を追われた人類は、知恵によって世界を創り上げ、楽しい都会の生活がもたらされる。人間は変化・進化の道を得るが、異常者も生む。暴行を受けた少女は精神に障害を負い両親は苦悩する。医師団はアダムとイヴ、蛇の二重性を持つ。療養のため転地した北海道の牧場で、少女は草むらの蛇を踏みショックを受けたことが契機となり快方に向かう。
蛇の助けで知の世界に帰った・・・神話が現代に再生したことにもなる。人間の喜びが自然と混じりあって表現される。- 上演団体 / 個人
- 若松美黄・津田郁子自由ダンス
- 演出 / 振付
- 若松美黄、津田郁子
- 会場
- 読売ホール
- 上演年
- 1985