ダンス映像インデックス
2023年度EPAD事業で収集した200点の映像のデータベースを公開しています。
作品一覧
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一年 (TOKYO SCENE 88)
「ピュアな創作現場とアコースティック・サウンドのコラボレーション。ひとと物質の未来に視線をむけながら」がテーマの「TOKYO SCENE 88」は1988年12月8日~11日まで4組のコラボレーションを展開。舞踊雑誌「ダンスワーク」の編集長でもあった長谷川六と、ストリングラフィを考案する前の水嶋一江とのコラボレーション。
- 上演団体 / 個人
- スタジオ200
- 演出 / 振付
- 長谷川六
- 会場
- スタジオ200
- 上演年
- 1988
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一艘のカヌー桜の木の下を往く・愛の夢
劇団民藝の北林谷栄を中心に活動していたと思われる「しのぶ会」第2回にて、大野一雄が2作品を踊った。「一艘のカヌー桜の木の下を往く」は白石かずこの詩を下敷きにした作品で、この年の2月にあった江口隆哉の追悼公演でも上演している。リスト作曲「愛の夢」は主に大野一雄の代表作「わたしのお母さん」の最後に踊られるが、一曲踊るという機会には度々選ばれた曲である。
- 上演団体 / 個人
- 大野一雄舞踏研究所
- 演出 / 振付
- 大野一雄
- 会場
- ヤマハミュージックサロン
- 上演年
- 1979
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いってき
「この時代のこの日本という国が一つの水たまりであるなら、僕もそこに落ちるいってきの水。~ 僕が生きて来た中であえて分ければ、四つの印象に残るいってきに出会ったような気がする ~ そんな四つのいってきを踊りの中でまさぐりそれを通して僕という昼と夜を抱いたいってきをその水たまりに落としてみたい。」
1995年1月17日には阪神淡路大震災が起こり、竹之内淳志は神戸へ馳せ参じたい気持ちと共に、鎮魂の想いを込めて踊った。第1回OSAKA DANCE EXPERIENCE参加作品。- 上演団体 / 個人
- TORII HALL
- 演出 / 振付
- 竹之内淳志
- 会場
- TORII HALL
- 上演年
- 1995
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祈りの踊り
ギリヤーク尼ヶ崎が街頭公演30周年を記念して初めて制作した記録映画。当時のギリヤークは膝の半月板を損傷、いつまで踊れるかと苦悩していた。踊りを永遠に見てもらえるように映像に残そうと制作を決意、「じょんがら一代」「念力」など全9演目を収録している。札幌、京都などでの公演の様子とともに、自叙伝的な要素も入れて故郷函館を訪れるシーンなどで構成。カラー70分。
- 上演団体 / 個人
- ギリヤーク尼ヶ崎
- 演出 / 振付
- ギリヤーク尼ヶ崎
- 上演年
- 1998
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Event Fission(分裂)
ハドソン川沿いの埋め立て地で行われた野外公演。エイコ&コマは砂丘の上で大きな白い旗と踊り、観客はそれを下から見上げる。白い旗はダウンタウンで進む開発を象徴的に攻撃している。砂丘の下方では四つの角で火が燃えており、その舞台へエイコ&コマが転がり落ちていく。50分のパフォーマンスの最後には、エイコ&コマは自らあらかじめ掘った深い穴に呑み込まれ、一陣の砂と共に視界から消える。
- 上演団体 / 個人
- Eiko & Koma
- 演出 / 振付
- Eiko & Koma
- 会場
- ハドソン川沿い埋立地
- 上演年
- 1980
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色は臭へど
劇団態変旗揚げ作品。とかく世に否定される障害者は、自らに目覚めようとしたときから強烈な自己肯定と自己主張なしにはやってこれなかった。「障害者で何が悪い」と自らの<肉体>に伴う特有の格好、話し方、生活様式そのものを肯定する作業。これは障害者にしかできない自由な発想でなされていいはずだ。障害者が行う肉体表現として、芝居はいい方法ではないか。この初めての試みに人々を巻き込み、態変は劇的なデビューを果たした。
- 上演団体 / 個人
- 劇団態変
- 演出 / 振付
- 金満里
- 上演年
- 1983
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WAVE、点と遠景とカンタータ、FIUME (河)
加藤みや子ダンススペース1982は、午後4時と7時からの2回公演で、「WAVE」「点と遠景とカンタータ」「FIUME」の3作品が上演された。
「WAVE」は点から拡がり点に戻るシンプルな構成と、エネルギーの波動に共感を呼んだ加藤の舞踊の原点。
「点と遠景とカンタータ」は、カルダーの絵画より白い衣装に置かれた黒点、舞台両側に座る詠唱と鐘等の奏者を設置。東洋の足捌きの入るミニマルな舞踊が繰り広げられる。1982年度全日本創作舞踊大賞受賞作。
「FIUME」はイタリア語で「河」のこと。一点の雫から全てのものを呑み込んで海に向かっていく悠久の流れ。動きと音と声が合流し生命の営みを紡いでいく。- 上演団体 / 個人
- 加藤みや子ダンススペース
- 演出 / 振付
- 加藤みや子
- 会場
- 草月ホール
- 上演年
- 1982
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噓の優しさ
昭和63年度文化庁芸術祭参加作品。
男は演出家。家では夫、父、息子。オイディプスを演出しているうち発病、入院する。
病状を癌と疑い、医師、家族、友人に真実を教えるよう迫る。嘘と隠蔽の中、彼はオイディプスと自らの行動を比較する。不治と察しつつも、家族の思い遣りを傷つけまいとする男。
心の中でオイディプスの物語は進行する。
絶ちがたい未練を非情なオイディプスに重ね合わせ、死を見据えるうち、日本の風土や人情を容認する気持ちになる。
クリスマス、友人と家族とともに、そのひと時を心から楽しもうとする。外にはすべての汚れを払う雪が舞う。- 上演団体 / 個人
- 若松美黄・津田郁子自由ダンス
- 演出 / 振付
- 若松美黄、津田郁子
- 会場
- 読売ホール
- 上演年
- 1988
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ウリ・オモニ (우리 어머니 My Mother)
金滿里初めてのソロ作品。
韓国古典芸能の大家であった亡き母への思慕と母からの魂の継承を象徴的な舞いに込めた身体表現作品です。大野一雄氏の代表作に「わたしのお母さん」がありますが、「女の側からの『わたしのお母さん』を創りましょう」ということで、大野一雄氏・大野慶人氏に監修を快諾いただき創り上げました。- 上演団体 / 個人
- 劇団態変
- 演出 / 振付
- 金満里
- 会場
- 扇町ミュージアムスクエア
- 上演年
- 1998
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エセーニン考
昭和50年度文化庁芸術祭参加作品。
セルゲイ・A・エセーニン(1825~1925ロシアの詩人)はイサドラ・ダンカンやトルストイの孫娘との結婚、その死の1年後エセーニンの墓前で自殺したガリヤ・ペニスカヤ等あらゆる意味で派手な人間関係だったようだ。
‟最後の田園詩人”として自然を詠い、農婦を聖母マリアに比した。
イサドラと旅行、欧州を経てアメリカの大都会へも。束縛を恐れ放浪する天性。
「マヤコフスキーは何かを目指す詩人だけど、僕は何かから離れる詩人。何からかは自分でもわからないけどね」
ラストメッセージから『人生は一場の笑、生が偉大なものでないのに、死だけが偉大であり得ようはずがない』と意を汲み、登場人物を道化としてエセ―ニンに対比させている。- 上演団体 / 個人
- 若松美黄・津田郁子自由ダンス
- 演出 / 振付
- 若松美黄、津田郁子
- 会場
- 虎ノ門ホール
- 上演年
- 1975
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江戸マンダラ
元藤燁子は、土方巽由来の舞踏の表現を「マンダラ」として捉え、踊りに美術や照明、音楽が共鳴する舞踏の表現を目指してきた。そしてまた、文化が爛熟した江戸時代の粋で洗練された表象を自らの舞踏に取り入れることにも努めてきた。本作では、アスベスト館の小ぶりな空間を生かして、元藤はその卓越した舞踊の技術をもって小粋な踊りを披露しつつ、舞踏手たちの技術的な習練の成果を生かした作品に仕上げている。
- 上演団体 / 個人
- アスベスト館
- 演出 / 振付
- 及川廣信
- 会場
- アスベスト館
- 上演年
- 2003
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f/Fパラサイト
八戸の精神科医、豊島重之が率いる劇団モレキュラーシアターの代表作。80年代、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリアと各国の演劇祭で絶賛を浴び、その前衛的手法で日本の演劇界に衝撃を与えた。
辺境の辺境の作家フランツ・カフカが婚約者フェリーツェと交わした手紙の書簡集(『フェリーツェの手紙』城山良彦訳、新潮社刊)を素材に、カフカの書くことの狂気とその果てしない増殖、言葉に寄生した声と思考、求愛と孤絶といったカフカのサイコグラム(心象図)を濃密な不安に満ちた空間に描き、圧倒的な緊迫感と身体表現で劇化した。第一壽輪The Japan Project参加。- 上演団体 / 個人
- モレキュラーシアター
- 演出 / 振付
- 豊島重之
- 会場
- Theater im Pumpenhaus(ドイツ)
- 上演年
- 1987
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エローラ~石の夢
和栗由紀夫+好善社舞踏公演。
「あらゆるやわらかいものは、やがて硬いものの支配下におかれるだろう」と師・土方巽は言っていた。「硬いもの」とは一体何を指しているのだろう。
鉄の硬さか、風に耐えている丸太の皮の硬さか、はたまた精神の硬度そのものを指しているのか?「ヨーロッパの踊りは結晶、ダイヤモンドです。その皮をこうむいてね、朝顔ですよ、舞踏は」とも言っていた。私はこの作品を「舞踏とは何か」「日本人の肉体とは何か」を探ってゆくものにしたいと思う。結果は一切、ご覧いただいてからのことである。(和栗由紀夫)
高度にデジタル化、情報化した社会にあってダンスにおいてもまた身体の無名化、記号化、単位化ということが大きな課題となってきていますが、舞踏には、あくまでも単位、記号に還元しきれない身体そのものの豊かさや存在に関わろうとするベクトルがあります。そういった姿勢を基本に「エローラ~石の夢」では「花」「エロス」「結晶」をテーマにシャープで硬質な舞踏を展開、肉体のもつロマンティズム、エロティシズムを描きます。2部構成の作品となっており、前半で豊穣のエロティシズムを、後半で禁欲のロマンティズムが踊られます。また、音楽はバイオリン、ビオラ、クラシックギターの生演奏で、美術にはオーストリア人の女流作家を起用し、抽象度の高い、洗練された舞台をお届けします。
ACT1/エローラ EROLA
scene1:クリスタ Christa / scene2:アラベスク Arabesque / scene3:レノア Lenore
ACT2/石の夢 DREAM OF STONES
scene4:廃墟 Ruins / scene5:水晶の牙 Crystal / scene6:石の夢 Dream of stone- 上演団体 / 個人
- 和栗由紀夫+好善社
- 演出 / 振付
- 和栗由紀夫
- 会場
- パークタワーホール
- 上演年
- 1997
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憶の市
折田克子舞踊公演(石井みどり・折田克子舞踊団アトリエ公演)より。タイトルの「憶の市」とは、記憶や意識下の時間を示す。多くの人間がおりなす時代、その背景となる歴史、人間の瞬時のエネルギー、解明し尽くせない自然と人間の神秘的な部分などを、オリジナリティーあふれる現代的なタッチで表現した舞踊作品。舞踊批評家協会賞受賞。折田克子が群舞の創作をはじめた初期の作品である。
- 上演団体 / 個人
- 石井みどり・折田克子舞踊研究所
- 演出 / 振付
- 折田克子
- 会場
- ABC会館ホール
- 上演年
- 1978
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お膳または胎児の夢
大野一雄に師事していた研究生と大野一雄との群舞作品。1980年に大野一雄が海外デビューを果たしたナンシー国際演劇祭にて初演された。ひと月以上に渡るヨーロッパツアーからの帰国後に横浜の稽古場にて数人に披露されたものと考えられるが、上演日付は不明。ナンシー国際演劇祭のプログラムから把握できる配役は次の通り。
胎児・馬:大野一雄 / 死神:池部篤治 / 太陽:中村森綱、秀島実 / 太陽を生む狂女、胎児の母:上杉貢代。- 上演団体 / 個人
- 大野一雄舞踏研究所
- 演出 / 振付
- 大野一雄
- 会場
- 大野一雄舞踏研究所
- 上演年
- 1980
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Hommage a Hideyuki Yano
1973年からパリを拠点に活躍した矢野英征は、ダンスと演劇、音楽を融合させた作品群で、フランスのヌーヴェル・ダンスに大きな影響を与えた。矢野の作品から、ワーク・イン・プログレス(1981年、パリ)、「サロメのためのエピローグ」(1984年、パリ)、「鷹の井戸」(1985年、パリ)、「サロメ、欲望の寓話」(1985年、ブザンソン)を抜粋して収録。エルザ・ウォリアストンやカリーヌ・サポルタが出演している。
- 上演団体 / 個人
- 矢野英征
- 演出 / 振付
- 矢野英征
- 会場
- パリ、ブザンソン
- 上演年
- 1981
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Ondine(オンディーヌ)
今はなき、法政大学学生会館学館大ホールにて上演。当時は、学生が自主管理のもと、さまざまなライヴ、演劇、映画が企画され、「オンディーヌ」も、演劇企画の黒いスポットライト(1974-2004)の主催。
「オンディーヌ」とは、ギリシャ神話に登場する水の精(人魚姫)であり、ジロードゥー、アンデルセン、劇団四季、寺山修司たちも作品化している。指輪ホテルは『この世の病、オンディーヌ。愛を併発して蔓延する。特効薬はない。』というテーマで、学館大ホールを豊穣な赤土の海と化した。- 上演団体 / 個人
- 指輪ホテル
- 演出 / 振付
- 羊屋白玉
- 会場
- 法政大学学生会館学館大ホール
- 上演年
- 1996
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August 27, 1979 – The Girl Can’t Help It
アメリカ・メイン州の風景を前に、シンプルな動きとアクションを見せる中馬芳子の初作品。
- 上演団体 / 個人
- 中馬芳子
- 演出 / 振付
- 中馬芳子
- 会場
- アメリカ・メイン州
- 上演年
- 1979
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カイゴ・香異湖・KAIgo!
劇団態変・障害者ミュージカル。
生野に家がありながら、そこから遠く離れた病院、施設で育つことを余儀なくされ、地域から消された金満里。自立生活を始めいろいろなひとと出会う中で、もう一度生野と向き合う必要が自然な道として現れた。在日朝鮮のるつぼの中に障害者の爆弾を打ちこんだ先に何が生まれてくるのか。エキサイティングな気分と共に制作された作品。- 上演団体 / 個人
- 劇団態変
- 演出 / 振付
- 金満里
- 会場
- 生野こどもの家
- 上演年
- 1988
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鏡のテオーリア
元藤燁子が多田智満子の著作『鏡のテオーリア』を原作とする鏡の神話と伝説に、名古屋の鏡伝説を加えて構成した新作で、存在と無、時間と永遠の問題を身体で考察する舞踏作品となる。本作は、愛知芸術文化センター主催のイベントークPartⅥ「土方巽を幻視する」に参加の舞踏公演であった。主演の元藤燁子と共演のアスベスト館の舞踏手たちに大野慶人が加わり、さらに大野一雄の特別出演を得て、重奏の舞踏空間となった。
- 上演団体 / 個人
- アスベスト館
- 演出 / 振付
- 元藤燁子
- 会場
- 愛知県芸術劇場小ホール
- 上演年
- 1997