ダンス映像インデックス
2023年度EPAD事業で収集した200点の映像のデータベースを公開しています。
作品一覧
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神話 ―輪廻転生―
元藤燁子が舞踏の底流にあると考える神話をテーマに構成した作品。遠く神々の時代から続く肉体と大地の交わりを意識し、大地を踏み舞う時、大地と一体となった深い悦びを得る、その魂の感動を作品にこめている。奇抜な発想からの振付もあって、これまでとは異質な舞踏だったが、その挑発的で実験的な手法を舞踏手たちも観客も受け入れた。土方巽の舞踏を継承しつつ、独自の身体表現に取り組む元藤の姿勢が発揮された舞踏作品となった。
- 上演団体 / 個人
- アスベスト館
- 演出 / 振付
- 元藤燁子
- 会場
- アスベスト館
- 上演年
- 1997
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ジャニスに捧ぐ―ヨシフ・ブロツキーの詩による
―冬教え
世界の果ての荒々しい土地を漂泊しよう
オオカミの国が私の国だ。
(アメリカ先住民スー族のコトバより)
冒頭で聞こえるのは、レニングラードに生まれアメリカ合衆国に亡命した詩人、ヨシフ・ブロツキー(1940-1996)の詩の朗読。ジャニス・ジョップリンの「サマータイム」で踊る雪雄子のソロ舞踏。- 上演団体 / 個人
- 雪雄子
- 演出 / 振付
- 雪雄子
- 会場
- 弘前・オレンジカウンティ―
- 上演年
- 2009
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重力と恩寵、またはアントニオ・グラムシ
マルシェ・ド・ラ・ポエジー2024年 25周年祭参加作品。
フランスを代表する著名な現代詩人、ジャン ・デイブの最新詩作「アントニオ・ グラムシ」をもとに構成された、武藤直美の舞踏と著者自身の朗読によるパフォーマンス作品。
1926年から亡くなるまでムッソリーニ政権によって投獄された、イタリア共産党の創設者であり哲学者アントニオ・ グラムシ。ロシアで出会った妻のジュリア、彼の収監期間中獄中ノートとその執筆を助ける二人の義姉妹タチアナとタニア、哲学者とその文書の抽出に取り組む3人の女性、3人のミューズ、3人の美神…
ボルドー詩と文学サロン・フェスティバル25周年と「詩人の春2024」のテーマである「恩寵」にちなんで作られた特別招待作品。 音楽編成はローラン・パリス。- 上演団体 / 個人
- カンパニー・メデューラ
- 演出 / 振付
- 武藤直美、ジャン・デイヴ
- 会場
- シャルトロン・ホール
- 上演年
- 2024
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情熱
故如月小春さんの訃報が、2000年12月にニューヨークに滞在中の羊屋白玉に届いた。
その後、小春さんの『DOLL』再演の依頼があり、初演から20年、小春さんの『DOLL』は、指輪ホテルの『情熱』となって蘇った。
昭和58年、海に消えた少女たちが、平成15年、ビルの屋上のテニスコートに舞い降りた。
女子高生の自殺を扱った作品『DOLL』。小春さんが遠投した「少女たちの死のゆくへ」を受け止め、「生の感触」として、さらに遠くへ投げ飛ばそうとした作品である。- 上演団体 / 個人
- 指輪ホテル
- 演出 / 振付
- 羊屋白玉
- 会場
- 空中庭球園、池袋「ロサ会館」屋上テニスコート
- 上演年
- 2003
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女中たち
舞踏舎天鶏スペシャル、第4回OSAKA DANCE EXPERIENCE参加作品。
“全てはオソレとコウテツの仕草で物語れる”この作品は、フランス前衛演劇の傑作、ジャン・ジュネの戯曲「女中たち」から構想され、昨年11月に東京で初演されました。ジュネの言葉に誘導され、大胆に読み変えられ、「三人の女中たち」は交差し、共有しあい、孤立し、そしてのぞきこみ、開示します。私の中の私、私の中のあなた、〈女の中〉。勝又敬子(草芥塾)、桜井ゆり(族長の足袋)を招き、田中陸奥子と三者三様の個性がぶつかり合う女性舞踏の饗宴です。- 上演団体 / 個人
- TORII HALL
- 演出 / 振付
- 鳥居えびす
- 会場
- TORII HALL
- 上演年
- 1998
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ジーキル博士とハイド氏の寓話
昭和56年度文化庁芸術祭参加作品。その演出に対し、昭和56年度文化庁芸術祭優秀賞。
誰もが完全な善ではいられない。誰もが内に持つ善と悪。
ジキルとハイドは悪の甘美な誘惑に負け罪を犯してしまう。最初は小さな罪を。やがて大きな罪へ。
ジキルとハイドの最後は首吊り自殺だ。ユラユラと揺れる身体は善と悪の間で揺れる2人の心のようだ。- 上演団体 / 個人
- 若松美黄・津田郁子自由ダンス
- 演出 / 振付
- 若松美黄、津田郁子
- 会場
- 読売ホール
- 上演年
- 1981
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裸足のカノン
石井みどり舞踊公演にて上演。折田克子がパッヘルベルのカノンに振付けた群舞作品。空間に広がりのある振付に時折印象的な仕草が混ざり、裸足の少女達の戯れが清々しい。音楽を伴奏として扱うことなく音楽と溶け合うような一体感のある作品である。
- 上演団体 / 個人
- 石井みどり・折田克子舞踊研究所
- 演出 / 振付
- 折田克子
- 会場
- 郵便貯金ホール
- 上演年
- 1983
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水底孤児
「記憶の沼」のみなそこから湧き上がり、吐き出され、吞み込まれてゆく数々の物語。地上でもあり水中でもあるような、あいまいな境界に繰り広げられる女性舞踏の饗宴。
- 上演団体 / 個人
- 舞踏舎天鷄
- 演出 / 振付
- 田中陸奥子
- 会場
- テルプシコール
- 上演年
- 2019
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酸模
「大森政秀舞踏儀 アンモナイトの爪」の第4回公演。北海道の炭鉱町で生まれた大森が、幼少時に野原で群生する「スカンポ」を食べたときを思い起こし、常に存在しながらも無用で無名のままの肉体を発見しようとした作品。状況劇場役者、天竺五郎と土方巽の「四季のための二十七晩」出演者、時計(ときけい)が飛び入りで登場するが、これはまったくのハプニングだった。終盤で「大森さん、いいぞ」と声をかけたのは女優の中島葵。終演後の会場風景には、大野一雄、土方巽、合田成男、長尾一雄、池宮信夫、ジャン・カルマン等の姿が見られ。当時の舞踏公演の雰囲気をよく伝えている映像である。
- 上演団体 / 個人
- テルプシコール
- 演出 / 振付
- 大森政秀
- 会場
- テルプシコール
- 上演年
- 1984
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鈴蘭党 舞ひみぞれ
『鈴蘭党写真集 舞い舞いLOVE-闇する白き舞姫たち』出版記念公演(1981年10月30日発行)。
「鈴蘭党」は、ビショップ山田主宰の北方舞踏派を母体とした、雪雄子をリーダーとする女性舞踏集団。鈴蘭が可憐且つ猛毒があるということから命名された。
豊玉伽藍は練馬区豊玉にあった大駱駝艦の稽古場である。- 上演団体 / 個人
- 北方舞踏派
- 会場
- 豊玉伽藍(東京)
- 上演年
- 1981
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Splish Splash
『スプリッシュ・スプラッシュ』のパフォーマーたちは、コンピューターゲーム『パックマン』のアニメーションの動きを再現しているかのように、さまざまな場面で、幻影的で、部分的に反復的な動きのパターンを見せる。素早くシュールなビジュアルイメージと象徴的な小道具は、エンターテインメント業界に対する謎めいたコメントを生み出している。
- 上演団体 / 個人
- 中馬芳子
- 演出 / 振付
- 中馬芳子
- 上演年
- 1982
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セレブレーション:アントロジア
Biennale Danza参加作品。
1999年、大野一雄は第1回ミケランジェロ・アントニオーニ賞を受賞。ベネツィア・ビエンナーレで「セレブレーション:大野一雄作品アンソロジー」として2日間の公演が行われ、1日目の終演後に舞台上でそのまま授賞式が行われた。大野一雄の代表作である「ラ・アルヘンチーナ頌」「わたしのお母さん」「死海」等から数曲を抜粋したアンソロジー公演である「セレブレーション」と、授賞式を収録。- 上演団体 / 個人
- 大野一雄舞踏研究所
- 演出 / 振付
- 大野慶人
- 会場
- ゴルドーニ劇場
- 上演年
- 1999
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서울(ソウル)エロチカーアジュンマの乳房ダランと半島のカタチ
第2回OSAKA DANCE EXPERIENCE参加、桂勘&サルタンバンク舞踏公演。
「太古より日本人の背後には白い影が複数つきまとっている。それは韓半島に足を踏み入れた瞬間、生き生きと輝き始める。この白く輝く影は決して怒りをあらわにしているのではない。我々はただ静かに耳を傾けたい。」- 上演団体 / 個人
- TORII HALL
- 演出 / 振付
- 桂 勘
- 会場
- TORII HALL
- 上演年
- 1996
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ソドム百二十日
同年1月の「舞踏作品集Ⅰ 悲惨物語」に続き、澁澤龍彦訳のマルキ・ド・サドの代表作「ソドム百二十日」を踊る。笠井叡は3月10日に『神々の黄昏』を上梓。笠井はその中で、サドの無垢性に触れている。
5月には舞踏作品集Ⅲとして「死美人-エドガー・アラン・ポーに寄せて」が上演されるが、その後まもなく、笠井は天使館を一時封印し、オイリュトミーを学ぶために渡独する。- 上演団体 / 個人
- 天使館
- 演出 / 振付
- 笠井叡
- 会場
- 第一生命ホール
- 上演年
- 1979
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体(たい)
ストラヴィンスキー作曲「春の祭典」、石井みどりの振り付けはよくある生贄の物語やスペクタル舞踊でない、石井みどりが名曲から得たインスピレーション、「自然と生命力」がテーマとなっている。ダンサーたちの曲線と直線のせめぎあい、重心移動によって運ばれる足、中心から裏へ身体を使うさま、動中の静などがみどころで、身体がとらえる表現の最終章は、みごとな人間讃歌となっている。
映像は、1961年初演の1983年版、「石井みどり舞踊公演」にて上演。1962年4月、芸術選奨受賞。主演の折田克子はこの作品でモダンダンス初の芸術祭個人演技賞を受賞。2015年、2018年に開催された一般社団法人現代舞踊協会主催のダンスアーカイヴ公演でも再演され、色褪せることのないダイナミックな生命力を感じる力強い作品と好評だった。- 上演団体 / 個人
- 石井みどり・折田克子舞踊研究所
- 演出 / 振付
- 石井みどり
- 会場
- 郵便貯金ホール
- 上演年
- 1983
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太陽神の誘惑
弁天島海上野外劇場。クマノ・スパーク【世界リゾート博】熊野国際アートフェスティバル参加作品。
白虎社の主宰である大須賀勇が芸術総監督を務めた「クマノ・スパーク(熊野国際アートフェスティバル)」の公演記録。セネガルからパーカッションのドゥドゥ・ニジャエ・ローズ、インド舞踊のシャクティ、モダン・ダンスの川上邦子舞踊研究所、女性だけの和太鼓グループ炎太鼓などが出演し、古代からの豊かな文化がある独特の地形を持つ熊野が国際的なアート発信の場になるとの大須賀の構想を実現。大須賀の総合演出による当該フェスティバルのみのオリジナル作品。
ー熊野国際アートフェスティバルは「世界リゾート博」のリレーイベントのひとつとして開催された- 上演団体 / 個人
- 白虎社
- 演出 / 振付
- 大須賀勇
- 会場
- 弁天島海上野外劇場
- 上演年
- 1993
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タオ
折田克子現代舞踊公演。ダンス・パフォーマンス東京'85「タオの祭」参加作品。
折田克子は稀にみるオリジナリティを有した現代舞踊の作家である。新作「タオ」は、79年作の「憶の市」にみられた儀式性を、開かれた場に移している。人間の内側のメカニズムと内在するドラマを、ダンサーと振付者の作業のなかで、外容化し顕現する。それらの交叉するコアで起こり得るものの探索である。タオは過去に記憶をもった異端者達に古代の夢を見、精神を未来に開く。(公演プログラムより)- 上演団体 / 個人
- 石井みどり・折田克子舞踊研究所
- 演出 / 振付
- 折田克子
- 会場
- 俳優座劇場
- 上演年
- 1985
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鷹ざしき
ビショップ山田舞踏公演、四季の柩その一、春。土方先生に捧げる夕。
雪摺りの縁茫然とボケ七面鳥が鷹となり
雪のはからい (ビショップ山田)
北国の鷹匠をモチーフにした作品。鷹のイメージの元となっているのは、1975年に山形県で上演された北方舞踏派結成記念公演「塩首」に、土方巽が生きたまま連れ込んだ七面鳥。そのまま稽古場で飼ったが死んでしまった。
土方が振りを全て変え、鷹匠の妻役と同時に女鷹役を務めた雪雄子は、土方から魂が乗り移っていくような気迫のある舞台だったと回想している。- 上演団体 / 個人
- 北方舞踏派
- 演出 / 振付
- ビショップ山田、土方巽
- 会場
- 草月ホール
- 上演年
- 1984
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たしかな心と眼
Dance Archive Project in Tokyo 2017参加作品。
大野一雄、大野慶人を敬愛して止まないアノーニと、大野慶人とのコラボレーション。2010年に「Antony and the Ohnos」で初共演を果した二人は、その後ロンドンとサンパウロで再演を重ね、本作で再び相見えた。「たしかな心と眼」の冒頭、舞台上のスクリーンにウィリアム・クラインが1961年に撮影した土方巽、大野一雄、大野慶人の写真が投影され、舞踏の創世記を活写したイメージの中から大野慶人が登場する。大野はアノーニの弾き語りを聴いて衣装を選び、踊る、そしてアノーニが大野の踊りに触発されて即興パフォーマンスを行うというように、自由で静かな緊張が続く展開となった。- 上演団体 / 個人
- 特定非営利活動法人ダンスアーカイヴ構想
- 演出 / 振付
- 大野慶人、アノーニ
- 会場
- 寺田倉庫G1ビル・5階
- 上演年
- 2017
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立つ
反復しながら動きの緩急やアクセントの変化を試みた、ソロ作品。
- 上演団体 / 個人
- 厚木凡人
- 演出 / 振付
- 厚木凡人